轤ク。カラブリア[#「カラブリア」に二重傍線]の地所は知らず、マリア[#「マリア」に傍線]が美しきは人も我も認むるところにて、おん身がその崇拜者の一人なるをば、われとても疑はざるものを。われ。崇拜とは過ぎたり。むかし我が愛せし盲《めしひ》の子に姿貌《すがたかたち》の似たればこそ、われはマリア[#「マリア」に傍線]に心を牽《ひ》かれしなれ。友。マリア[#「マリア」に傍線]が目も拿破里《ナポリ》なるをぢの治療にて、始て開《あ》きしものと聞けば、盲ひたる子に似たりといはんも、その由なきにあらねど、我には別に解釋あり。戀は固《もと》より盲なるものなり。その戀の神なるアモオル[#「アモオル」に傍線]をこそ、むかしおん身は見つるならめ。今おん身の心のマリア[#「マリア」に傍線]に惹かるゝは、戀の神の所爲なれば、人の噂は遠からず事實となりて現るゝならん。われ。否、マリア[#「マリア」に傍線]はさて置き、何人をも我は終身|娶《めと》らざるべし。友。そは又|輒《たやす》くは信じ難き豫言なり、おん身にふさはしからで我にふさはしかるべき豫言なり。好し、さらばわれ君と誓はん。おん身若し我に先《さきだ》ちて妻を
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