ワでもなし。ジエンナロ[#「ジエンナロ」に傍線]の好むところにしてアントニオ[#「アントニオ」に傍線]の能くするところといはゞ、題は戀愛と定まり居るならずや。ジエンナロ[#「ジエンナロ」に傍線]。善くこそ宣《のたま》ひたれ。その戀愛とアヌンチヤタ[#「アヌンチヤタ」に傍線]とを題とせん。われ。又の日にはいかなる題をも辭《いな》まざるべし。今宵のみは免《ゆる》し給へ。心地も常ならぬやうなり。外套着ずして汐風を受け、直ちに火山の熱さに逢ひ、歸るさの車にて又涼風《すゞかぜ》に觸れし故にや。公子。アントニオ[#「アントニオ」に傍線]も早や技藝家の自重といふことを覺えたりと見えたり。今宵は免すべければ、明日《あす》は共にペスツム[#「ペスツム」に二重傍線]に往け。かしこには詩料あり。こも亦拿破里におん身が自重を示す手段なるべし。(我はえ辭《いな》まで會釋せり。)ジエンナロ[#「ジエンナロ」に傍線]。好し、渠《かれ》を伴ひて行かん。渠一たび希臘廢祠の中に立たば、神來の興忽ち動きて、古のピンダロス[#「ピンダロス」に傍線]を欺く詩を得るならん。公子明日より四日の旅路なり。歸るさにはアマルフイイ[#「
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