ミ戲れよといふ。僧の聲は漸く大に、我耳はこの拿破里|訛《なまり》を聞くこと、一篇の詩を聞く如くなりき。されど僧の叫ぶこと愈※[#二の字点、1−2−22]大なれば、偶人《にんぎやう》の跳ること愈※[#二の字点、1−2−22]忙しく、群衆は舊に依りて傀儡師に面し談義僧に背《そむ》けり。僧は最早え堪へずして、石級を飛び下りさまに連なる男の手より聖像を奪ひ取り、そを高くかざして衆人の間に分け入りたり。見よ/\。これがまことの傀儡なり。汝達に眼あるは、これを視んためなり。耳あるはこれの教を聽かんためなり。「キユリエ、エレイソン」(主よ、慈を垂れよの義にして、歌頌の首句)とぞ唱へける。聖像は流石《さすが》人に敬を起さしめて、四圍《あたり》の群衆忽ち跪《ひざまづ》けば、傀儡師も亦壇を下りて跪きぬ。
われは車の側に立ちてこれを見つゝ、心に神恩の深きと人心のやさしきとを思へり。フエデリゴ[#「フエデリゴ」に傍線]は夫人のために辻の馬車を雇へり。夫人は友の手を握りて謝すと見えしが、その軟《やはらか》き兩臂は俄に我|頸《うなじ》を卷きて、我唇の上には燃ゆる如き接吻を覺えき。
慰籍
友の眠に就き
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