鰍ノ依りて、君が罪を糺《たゞ》さんとす。語未だ畢らざるに、婦人は手中の扇をあげてしたゝかに我面を撃ちたり。その撃ちかたの強さより推《お》すに、我は偶※[#二の字点、1−2−22]《たま/\》女の身上を占ひて善く中《あ》てたるものならん。友なる男は、アントニオ[#「アントニオ」に傍線]、物にや狂へると私語《さゝや》ぎて、急に婦人を拉《ひ》きつゝ、巡査《スビルロ》、希臘人、牧婦などにいでたちたる人の間を潛りて逋《のが》れ去りぬ。その聲を聞くに、ベルナルドオ[#「ベルナルドオ」に傍線]なりき。さるにても彼婦人は誰にかあらん。椅子を借さんとて、觀棚《さじき》々々(ルオジ、ルオジ、パトロニ)と呼ぶ聲いと喧《かまびす》し。われは思慮する遑《いとま》あらざりき。されど謝肉祭の間に思慮せんといふも、固より世に儔《たぐひ》なき好事《かうず》にやあらん。忽ち肩尖《かたさき》と靴の上とに鈴つけたる戲奴《おどけやつこ》(アレツキノ)の群ありて、我一人を中に取卷きて跳ね※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]りたり。忽ち又いと高き踊《つぎあし》したる状師《だいげんにん》あり。我傍を過ぐとて、我を顧みて冷笑《あ
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