と並べてあると云う、あの未来の国の子供の分担している為事《しごと》が、悉《ことごと》く解けて流れて、青い鳥の象徴の中に這入ってしまうように書きたかったには違いないが、それがそう行《ゆ》かなかったのでしょう」
 純一は大村の詞を聞いているうちに、名刺を発見せられはすまいかと思う心配が次第に薄らいで行って、それと同時に大村が青い鳥から拈出《ねんしゅつ》した問題に引き入れられて来た。
「ところが、どうも僕にはその日常生活というものが、平凡な前面だけ目に映じて為様《しよう》がないのです。そんな物はつまらないと思うのです。これがいつかもお話をした利己主義と関係しているのではないでしょうか」
「それは大《おおい》に関係していると思うね」
「そうですか。そんならあなたの考えている所を、遠慮なく僕に話して聞かせて貰いたいのですがねえ」純一は大きい涼しい目を耀《かがや》かして、大村の顔を仰ぎ見た。
 大村は手に持っていた紙巻の消えたのを、火鉢の灰に挿して語り出した。「そうだね。そんなら無遠慮に大風呂敷を広げるよ」大村は白い歯を露《あら》わして、ちょっと笑った。「一体青い鳥の幸福という奴は、煎《せん》じ詰
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