。いずれ篤《とく》と考えました上で、改めてこちらから申し上げましょう」といった。
これで相談は果てた。貞固は何事もないような顔をして、席を起《た》って帰った。富穀は跡に残って、どうか比良野を勘弁させるように話をしてくれと、繰り返して五百に頼んで置いて、すごすご帰った。五百は優善《やすよし》を呼んで厳《おこそか》に会議の始末を言い渡した。成善はどうなる事かと胸を痛めていた。
翌朝五百は貞固を訪《と》うて懇談した。大要はこうである。昨日《さくじつ》の仰《おおせ》は尤至極である。自分は同意せずにはいられない。これまでの行掛《ゆきがか》りを思えば、優善にこの上どうして罪を贖《あがな》わせようという道はない。自分も一死がその分であるとは信じている。しかし晴がましく死なせることは、家門のためにも、君侯のためにも望ましくない。それゆえ切腹に代えて、金毘羅《こんぴら》に起請文《きしょうもん》を納めさせたい。悔い改める望《のぞみ》のない男であるから、必ず冥々《めいめい》の裏《うち》に神罰を蒙《こうむ》るであろうというのである。
貞固はつくづく聞いて答えた。それは好《よ》いお思附《おもいつき》である
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