かげつらいしんをおそれ》、発声之前必先知之《はっせいのまえかならずさきにこれをしる》」といってある。枳園には今一つ厭《いや》なものがあった。それは蛞蝓《なめくじ》であった。夜《よる》行くのに、道に蛞蝓がいると、闇中《あんちゅう》においてこれを知った。門人の随《したが》い行くものが、燈火《ともしび》を以て照し見て驚くことがあったそうである。これも同じ文に見えている。
その六十五
抽斎は平姓《へいせい》で、小字《おさなな》を恒吉《つねきち》といった。人と成った後《のち》の名は全善《かねよし》、字《あざな》は道純《どうじゅん》、また子良《しりょう》である。そして道純を以て通称とした。その号抽斎の抽字は、本《もと》※[#「竹かんむり/(てへん+(澑−さんずい))」、192−1]《ちゅう》に作った。※[#「竹かんむり/(てへん+(澑−さんずい))」、192−1]、※[#「てへん+(澑−さんずい)」、192−1]《ちゅう》、抽の三字は皆相通ずるのである。抽斎の手沢本《しゅたくぼん》には※[#「竹かんむり/(てへん+(澑−さんずい))」、192−2]斎校正の篆印《てんいん》が殆《ほとん》
前へ
次へ
全446ページ中250ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
森 鴎外 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング