れと同時に詩名を求める念が漸《ようや》く増長した。
李に聘せられる前の事である。ある日玄機は崇真観《しゅうしんかん》に往って、南楼に状元《じょうげん》以下の進士等が名を題したのを見て、慨然として詩を賦《ふ》した。
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遊崇真観南楼《しゆうしんくわんのなんろうにあそび》。覩新及第題名処《しんきふだいのなをだいせしところをみる》。
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雲峯満目放春晴《うんぽうまんもくしゆんせいをはなち》。 歴々銀鈎指下生《れきれきたるぎんこうかせいをさす》。
自恨羅衣掩詩句《みづからうらむらいのしくをおほふを》。 挙頭空羨榜中名《かうべをあげてむなしくばうちゆうのなをうらやむ》。
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玄機が女子の形骸《けいがい》を以て、男子の心情を有していたことは、この詩を見ても推知することが出来る。しかしその形骸が女子であるから、吉士《きっし》を懐《おも》うの情がないことはない。ただそれは蔓草《つるくさ》が木の幹に纏《まと》い附こうとするような心であって、房帷《ぼうい》の欲ではない。玄機は彼があったから、李の聘に応じたのである。此《これ》がなかったから、
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