《さしそへられそろ》足軽|池鯉鮒《ちりふ》之駅にて吐血急症、近隣近郷之医を招候由。(これは三両余の入用と申すこと。)しかし箱根もすみ、池鯉鮒も翌日発足いたす位になりし由、不幸中之幸なるべし。明日帰りて委細不承候内は、往来|上下《じやうか》人足の沙汰計、書状も瑩々とわけきこえかね候故、確然は得信可申上候。」
「何様始終之御邪魔御面倒可謝詞もなく候。先大坂迄帰著の処申上候。鵜川段々世話いたしくれられ候由、此事御申伝尚御たのみ可被下奉願上候。御|内公《うちぎみ》令郎《れいらう》|至おさよどの《おさよどのにいたる》まで、宜《よろしく》御礼奉願上候。恐惶謹言。十一月廿三日。菅太中晋帥。伊沢辞安様。」
「北条妻は私が姪女《てつぢよ》也。ことさらの鈍物、御世話奉察候。初め東行仕候時、(去々年也)心に落着いたさずつらき事、何ごとも必辞安先生に申上よと申遣候。いかが候や覧。」
「用事。」
「北条事に付これはかくせよ、かれはいかゞせよと被仰下たく候。」
「牧唯助《まきたゞすけ》(むかしの臼杵直卿《うすきちよくけい》也)松平冠山様之以状御たのみの事申遣候。うんともすんとも返事無之候。御先方貴人に候へばはやく
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