晋帥。伊沢辞安様。落合敬介漂流のうち、ここかしこ、いづくもわたくし相しれる所へ参られ候は奇也。別而宜しく御伝可被下候。御地久しく雨ふらず候よし、※[#「敝/犬」、7巻−193−上−13]郷も亦同じ。五六日ふりしのち此|比《ごろ》までふらず、此比三度少し宛《づつ》ふりたれども、地泥《ちでい》をなすにいたらず。然れども此上ふりてはまたあしし。これにてよき程也。これは※[#「敝/犬」、7巻−193−上−16]郷に宜《よろし》。土地によるべし。」
「尚々古庵様、服部氏、市川先生、凡私を存候人々へ宜奉願上候。別而御内政様、両|令郎《れいらう》は勿論、おさよどのまで不残奉願上候。ふしぎは今年蛇蚊蛙すくなく、燕はいつも春晴桃紅《しゆんせいももくれなゐ》に梅雨柳くらき比軒ばに来り、※[#「口+尼」、第4水準2−3−73]喃《ぢなん》かまびすしきに、ことしは三日に一度、五日に一度くらゐ稀に見申候。此比虫語常年のごとし。」
此手紙は長さ五尺|許《ばかり》の半紙の巻紙に細字で書いてある。分註あり行間の書入あり、原本のままには写しにくいので、文意を害せざる限は、本文につづけてしまつた。但「※[#「木+夜」、
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