は「らうちよけん」と訓んでゐたが、今これを筆にするに当つて疑を生じ、手近な字典を見、更に説文《せつもん》をも出して見た。説文に樗《くわ》は「从木※[#「樗のつくり」、第3水準1−93−68]声、読若華」、※[#「木+罅のつくり」、7巻−130−上−2]《ちよ》は「从木※[#「罅のつくり」、第4水準2−87−26]声」と云つてある。字典は樗の下《もと》に集韻を引いて「又作※[#「木へん+罅のつくり」、7巻−130−上−3]、丑居切」と云ひ、※[#「木+罅のつくり」、7巻−130−上−3]の下には只「同樗」と云つてゐる。文字を知つた人の教を受けたい。
覚書と詩集とには此《かく》の如き牴牾《ていご》があるが、蘭軒が病なくして病と称したのでないことは明である。集に「病中偶成」の五律がある。「時節頃来好。抱痾倦日長。晴山鳩穀々。春社鼓※[#「金+堂」、第4水準2−91−34]々。盃酒将忘味。薬湯頻換方。花期看自過。昏夢繞池塘。」茶山は「医人之病、往々如此、詩則妙」と評してゐる。
春の詩の後に白氏文集の善本を獲た時の作がある。「余蔵白氏集活字版本、旧年売却、頃書肆英平吉携来一本、即旧架物也、購
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