くとすがすがしくなって来る。私はクラシックのものが好きであるが、また極く近代的のものも好きである。
それにレコードを勉強に聴く時と、楽しみに聴く時と二様にわけている。私は忙しい仕事が一段落つくと、何かレコードが新しく買いたくなるので四谷の好音堂へ電話をかける。
その店が戦災でとぎれていたが、終戦後しばらくして復活したので、またときどき求めているが、しかし、戦争以来レコードによっては針音がひどくてはっきりしないのや、また、途中で針が折れてしまうようなのにもあたることがある。しかし最近、新入荷というのは流石によい音がする。
とにかく、私にはレコードが先生でもあるので、月謝を払うつもりでよい新譜が出ると毎月求めることにしている。
底本:「心の調べ」河出書房新社
2006(平成18)年8月30日初版発行
初出:「春の海」ダヴィッド社
1956(昭和31)年8月5日
入力:貝波明美
校正:noriko saito
2007年12月28日作成
青空文庫作成ファイル:
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