ないと云ふのが間違つて居る。馬屋筋を調べますと、一生懸命に馬屋筋は穴ばかり探して買ふて居るから大抵得して居ります。能く御客が聞いて居りますよ、騎手なんかに……、番組見せて、騎手は大体は分つて居る。十頭馬が出ましても二つ位目を着けて居る、是と是だ是が出れば十分で是が出れば穴だ、それ位の見当は附けて居ります。御客が皆買ふ馬が駄目で、意外な馬に騎手が目を着ける時がある。
八百長でないのです。それが此競馬の勝つべき馬なんだと云ふけれども、こそ/\厩筋で買ふから八百長と云ふだらうけれども、公然と買つたら、御客もそれに附いてしまふから配当がなくなつてしまふ。それですからこつそり分らぬやうに買ふ。
それから馬主と騎手の云々はあるのです。速いことには今日は馬が傷ついても宜いから出せるだけ出して呉れと註文する、場合に依ると今日は余り責めぬでも宜いよと云ふ。それはあるのです、詰り其日に楽をさして置いて、そして此処と賞金の多い処でひよつこり出さして、それで賞金でも多く取り、馬券も余計買はうと云ふことになる配当が好くなりますからね。
現に去年の七月の中山の競馬で、松緑と云ふ馬を持つて居る人と心易いのです
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