非暴力
エム・ケー・ガンヂー
福永渙訳
−−
【テキスト中に現れる記号について】
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)その小範圍の[#「小範圍の」は底本では「小範團の」]適用は、
−−
人が非暴力であると主張する時、彼は自分を傷けた人に對して腹を立てない筈だ。彼はその人が危害を受けることを望まない。彼はその人の幸福を願ふ。彼はその人を罵詈しない。彼はその人の肉體を傷けない。彼は惡を行ふ者の加ふるすべての害惡を耐忍ぶであらう。かくして非暴力は完全に無害である。完全な非暴力は、すべての生物に對して全然惡意を有たぬことだ。だから、それは人間以下の生物をも愛撫し、有害な蟲類や動物までも除外しない。それ等の生物は、吾々の破壞的性癖を滿足させるように作られてゐるのではない。若し吾々が造物主の心を知ることさへ出來たならば、吾々は造物主が彼等を創造した意義を發見するだらう。故に、非暴力はその積極的形式に於ては、すべての生物に對する善意である。それは純粹の愛である。私が印度經の諸聖典や、バイブルや、コーランの中に讀むところのそれだ。
非暴力は完全なる状態だ。それは全人類
次へ
全10ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
ガンジー マハトマ の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング