は關係はありません。」
私は役所と國王とは離すことが出來ないこと、國王は大英帝國を意味する非人格的な理想的存在であること、いかなる印度人も英國と神とに兼ね仕へることは出來ないことなどを彼に説いた。[#「説いた。」は底本では「説いた」]戒嚴令制度のテロリズムの責任を責ふべき國家、惡を悔い改めざる國家、嚴肅な義務を破つて祕密條約を結ぶやうな國家は、神を有せざる國家に過ぎない。かかる國家に忠誠を致すのは、神に對して不忠實である。
その少年は當惑した。
私は議論を續けた。我が國が國を富ますために無神的になり、他國の人民を利用し、酒精を輸入し、貿易を擴張せんがために戰爭をなし、その權力と特權を維持せんがために詐欺を行ふとしたならば、吾々はどうして斷えず神と國家に忠實になり得ようか。吾々は神のために國家を見棄ててはならないのか。故に、諸君は神に對してのみ忠誠を致し、その他の何ものに對しても同じ意味の誠を致すべきではないと私は説いた。
この少年の多くの友達は、この會話に深い興味を有つた。彼等の隊長もやつて來た。私は彼にも私の論斷を繰返し、彼が導いてゐる少年たちの何事にも疑問を抱きたがる心を刺
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