ことが出來ないのだが、私はそれ等の人々に國産織物を供給することは困難でないと思ふ。しかし、宗教上の點を問題にすれば、勿論それは困難である。
 印度の一般の氣候では、薄着でも差支へないのである。中産階級の人口の四分の三は、必要のない衣服を澤山着てゐると云つても、誇張ではないのだ。且又、多くの人々が誓ひを立てるならば、紡車や手織機が澤山作られるであらう。無數の織布者が印度に出來るであらう。彼等はただ激勵を待つてゐるのみである。重要な事が二つある、即ち克己と正直である。誓約者がこの二つの性質を有たねばならぬことは云ふまでもないが、人民をしてかかる大誓約を比較的容易に守るを得しむるために、わが商人たちもかかる性質に惠まれてゐなければならぬ。正直な克己心ある商人は、印度の綿からのみ絲を紡ぎ、印度の絲からのみ織物を織るであらう。彼は印度製の染料をのみ用ふるであらう。人は何事かを爲さんと欲する時は、その道程に横はる困難を除去するに必要な能力を養成するものだ。
        すべての外國製布を破棄せよ
 吾々は成るべく僅かの衣類で濟ますだけでは十分でない。この誓ひを完全に守るには、更に吾々の所有する
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