moon(昼寝草《ヒルネグサ》)といわれ、その直根は軟くて甘味を含み、多少香気もありかつ滋養分もあるので食品として貴ばれる。またこれは発汗剤になるともいわれ、そしてその極く嫩い葉はサラドとして美味である。
 属名の Tragopogon は Tragos(山羊《ヤギ》)pogon(鬚《ヒゲ》)のギリシャ語から成ったもので、それはその長い冠毛の鬚に基づいて名づけたものであろう。そして種名の porrifolius はリーキ葉ノという意味だが、このリーキはネギ属(Allium)の Leek で Allium porrum L[#「L」は斜体]. の学名を有しニラネギと呼ぶものである。今我国でも所により作られている。

  茶の銘玉露の由来

 製したお茶の銘の玉露(ギョクロ)は今極く普通に呼ばれている名であることは誰も知らない人はなかろう。ところがこれに反して、その玉露の名の由来に至っては、これを知っている人は世間にすくないのではないかと思う。
 明治七年(1874)十一月に当時の新川《にいかわ》県(今の富山県の一部)で発兌《はつだ》になった『茶園栽培問答』と題する書物があって、同県の茶園
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