イヌタデと呼んでいる。これは飯沼慾斎《いいぬまよくさい》の『草木図説《そうもくずせつ》』に従ったものだ。しかしこのイヌタデの名は元来間違っているから、今これを矯正する必要を認める。そこで私は今後この種から間違っているイヌタデの名を褫奪《ちだつ》して、これを本来の正しい名のハナタデに還元させることに躊躇しない。
 今日いう、ハナタデの名も上の『草木図説』に従ったものだが、これも誤りであるから私は新たにこれをヤブタデと名づけた。その花穂は痩せ花は小さくて貧弱、色は淡紅紫で浅く、けっして花タデの名にふさわしくない。私は以前からこんな花のものがどうして花タデの名であるのかと常にこれを怪しんでいたが、果たせるかな本当のハナタデはこれではなかった。

[#「ハナタデ一名アカノマンマ(誤称イヌタデ)」のキャプション付きの図(fig46820_10.png)入る]
[#「ヤブタデ(誤称ハナタデ)」のキャプション付きの図(fig46820_11.png)入る]

  イヌタデ

 元来|蓼《タデ》はその味の辛いのが本領であって、『秘伝花鏡《ひでんかきょう》』にも「蓼ハ辛草也」とある。すなわちその辛辣な味
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