る。細長一本ずつの緑色花穂は稈に頂生し、果穂は熟後褐色を呈し、小穂(学術語であって螽花《しゅうか》と称する)は穂軸に互生して二列生をなし、五ないし十一花よりなっている。苞状をなした一空頴は小穂より少しく長く、穀粒は小形で長楕円形を呈し白褐色である。
 この毒麦がよく小麦畑に生えるので、その収穫のさい毒麦の穀粒が一緒に小麦の穀粒にまじることがある。そしてその毒麦の穀粒は刺激性、麻酔性の毒分を有し、それを食うとよく口に譫語を発し、胃に苦しい痙攣がおこり、心臓が衰弱し、睡気を催し、眩暈がしあるいは昏倒し、悪寒が来、嘔気を催しあるいは嘔吐し瞳孔が散大する。そしてこの有毒アルカロイドをテムリン(Temulin)と称する。
 毒麦の俗名には Darnel, Tares, Ivry, Poison rye−grass がある。
 この毒麦の属する Lolium 属[#「属」に「ママ」の注記]には通常なお二つの種があって、早くも他の牧草とともに我国に入って来て今はすでに帰化植物となっている。すなわちその一つは Lolium perenne L[#「L」は斜体]. で俗に Rye−Grass といい、ホ
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