はこの点に尽きている。そしてこの Thea と Camellia との二属は由来離合常なく、あるいは親和しあるいは反目し、学者がこもごも各自の意見を固守していて、ある学者は Thea, Camellia 二属に独立を与え、ある学者は Thea 属[#「属」に「ママ」の注記]を Camellia 属[#「属」に「ママ」の注記]に嫁入らせ、またある学者は Camellia 属[#「属」に「ママ」の注記]を Thea 属[#「属」に「ママ」の注記]の支配下においていたが、今私のこの聚繖花序発見で初めて確定的に世界の学者にその依るところを教えたものであるから、これを大発見と誇唱してもなんの僣越にもなりはしない。気焔万丈、天狗の鼻を高くするゆえんである。呵々。
茶樹に聚繖花序の出現することは私の発言するまでは誰も知らなかった。かつて私はこの事実を中井猛之進《なかいたけのしん》博士に話したのだが、同博士もこれは初耳であった。
二十四歳のシーボルト画像
理学博士|白井光太郎《しらいみつたろう》君の著『日本博物学年表』の口絵に出ているシーボルトの肖像画は、もと私の所有であったが、今からずっ
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