[#(ニ)]号[#二]三度栗[#一]といひ、因幡志(巻二末)に、法美《ハフミ》郡宇治山に産すといひ、紀伊続風土記(巻六十九)に、牟婁郡|栗栖《クルス》[#(ノ)]荘芝村、又(巻七十二)同郡|佐本《サモト》[#(ノ)]荘西栗垣内村、又(巻八十)同郡三里郷一本松村等に産する事を載す、此外越後、信濃、石見、土佐、筑前等にも産す、一名山グリ(詩経名物弁解)梶原グリ(石見)といふ、大抵牟婁郡に産する物は、其山を年々一度づつ焼く、其焼株より出る新芽に実のるなり、七月の末より、十月頃まで、本中末と三度に熟するを云なり、三度花を開きて実を結ぶ物にはあらず、皆其地の名産とすれど、何れの国にも産するなるべし」である。
右の『桃洞遺筆』に引用されている『本朝食鑑《ほんちょうしょっかん》』(小野必大《おのひつだい》の著、元禄十年1697出版)巻之四の文を仮名交りに書いてみれば、「上野州下野州ニ山栗アリ極メテ小ニシテ一年ニ三度、栗ヲ収ム故ニ三度栗ト号ス其味ヒ佳ナラズト為サズ此|類《タグヒ》ノ山栗ハ諸州ニ在レドモ亦極メテ小キナリ是レ古ヘノ※[#「木+而」、第4水準2−14−58]栗《ササクリ》乎」である。
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