のであろう。そして同書に掲げてある本品の図もじつは坪井伊助《つぼいいすけ》氏著の『坪井竹類図譜』から採ったものであることに気を利かせてみねばならない。
 日本では従来中国の江南竹をモウソウチクだとしているが、これは全く適中していなく、この江南竹はけっしてモウソウチクそのものではない。それはその稈の節から出る枝が毎節明かに三本ずつになっているのでも判かる。しかしこのモウソウチクは元来中国の原産で最も顕著な竹であるのだから、何か中国名すなわち漢名があるに相違ないと考え、そこで李※[#「衙」の「吾」に代えて「干」、223−17]《りかん》の著した『竹譜詳録《ちくふしょうろく》』(全七巻)をひもときその各種竹品の記文を検討してみたところ、果たしてその中での狸頭竹《リトウチク》、一名|※[#「豸+苗」、第4水準2−89−6]彈竹《ビョウダンチク》がまさにモウソウチクそのものであることを突き止めえた。しかしこの狸頭竹、※[#「豸+苗」、第4水準2−89−6]彈竹の名は既に明治十九年(1886)に出版せられた片山直人氏の『日本竹譜』にモウソウチクの漢名として引用してあるが、それはモウソウチクにあてた
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