としている。そして日本にある最も普通な種はナワシログミ、ナツグミ、アキグミ、ツルグミ、マルバグミである。これに常緑品と落葉品とがあるが、常緑品は秋に花が咲いてその翌年に実が熟し、落葉品は初夏に花が咲いてその年の夏あるいは秋にその実が熟する。

  三波丁子

 三波丁子《サンハチョウジ》、今日では絶えて耳にしない妙な草の名である。宝永六年(1709)に発行になった貝原益軒《かいばらえきけん》の『大和本草《やまとほんぞう》』巻之七に蛮種としてこの名の植物が出で「三月下[#レ]種[#(ヲ)]苗生ジテ後魚汁ヲソヽグベシ此種近年異国ヨリ来ル花ハ山吹ニ似テ単葉アリ千葉アリ九月ニ黄花開ケ冬ニイタル可[#レ]愛」と書いてある。そしてその三波の語原は私には解し得ないが、丁子は蓋しその花の総苞の状から来たものではないかと思う。
 小野蘭山《おのらんざん》の『大和本草|批正《ひせい》』には「三波丁子 一年立ナリ蛮産ナレドモ今ハ多シセンジュギクト称ス秋月苗高五六尺葉互生紅黄草ノ如ニシテ大ナリ花モコウヲウソウノ如ニシテ大サ一寸半許色紅黄単葉モ千葉モアリ葩《ハナ》長ク蔕ハツハノヘタノ如ク又アザミノ如シ九月頃マデ
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