人には子房のように見え、グミの花は下位子房があると誤認せられるゆえんである。
植物分類学を学んだ人は、その真相がチャント分っているから問題はないが、今素人やお子さん達のために一応それを説明してみよう。
グミの花は筒をなした萼から出来ていて、それに一花柱ある子房と四つの雄蕊《ゆうずい》とが副うて一個の花を組み立っている。すなわちその萼は筒を成していて口部すなわちいわゆる舷部(Limb)が四片に分裂している。そしてその分裂片はその二片が外となり他の二片が内となって、いわゆる植物学上でいう覆瓦襞《ふがへき》を呈している。萼の筒部の本の方は括びれて小形となっているが、その部は花托である。その花托の頂が萼筒内での蜜槽となり来客として来る昆虫のため、すなわち我が花粉を柱頭に伝えて媒介してくれる昆虫のために御馳走として蜜液を分泌する。そしてその括びれの筒内に一つの子房がその花托筒に囲まれて立っており、それはけっして花托に合着していなく全くフリーである。この子房の上端には長い花柱があって萼の口まで延《およ》んでいて、その先の方が花粉を受ける長い柱頭となっている。グミの花はよい香気を放ち虫ヨ来い来い
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