之長二寸許無枝而梢有葉似松苗[牧野いう、此辺『倭漢三才図会』の書抜きだ]といひ和語本草にも玉柏石松を載たれども其味のみを弁じて貌姿を論せず良安《りょうあん》本草綱目の万年松を万年草として当山万年草に霊異あることを草性を知らずといへるは嗚呼の論のみ[牧野いう、『紀伊続風土紀』の著者の此言かえって嗚呼の論のみだ且万年草を霊草と云う笑うべきの至りである]彼万年松は紫花あり此万年草花なし爾者雑組衡嶽志にいふ万年松は別の草ならん尺素往来にいふ万年草は当山の霊草ならん又当山にても当時蔓延滋茂せるは彼万年松の類にて右老伝の霊草は御廟瑞籬の内に希に数茎を得といふ説もあれば尚其由を尋ぬべし
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また同書物産の部は小原良直《おばらよしなお》(八三郎)の書いたものだがその中に左の記がある。
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千年松《センネンサウ》(物理小識○高野山にて万年草といふ他州にては玉柏を万年草といふ故に此草を高野の万年草といひて分てり)
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高野山大師の廟の辺及三山の際に蔓生す乾けるものを水中に投ずれば忽蒼翠に復す故に俗間収め貯へ
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