に残れるを云或云是れ大に誤れり此国の人のみ芦をさして浜荻といへるは古き諺にて即国の方言なれば伊勢の浜辺に生《おい》たる芦は残らず浜荻と云べし古跡と云はあるべからず此歌に明らかなり
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筑波集連歌
物の名も所によりてかわりけり 難波の芦はいせのはま荻 救済法師
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又按ずるに芦を荻といふ事至て上古にはいづくにもいひし事也此国にかぎらず詩作などには蘆荻《ろてき》とつゞけて一物也其余証拠略之
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万葉
神風や伊勢の浜荻折ふせて旅寝やすらん荒き浜辺に 読人不知」
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と書いてある。
私は先年この三津《みつ》の地に行って、今そこの名所田間に少しばかり残してあるいわゆる浜荻を親しく見たことがあったが、この地点は石を畳んで平たくしその周辺およそ一畝歩ばかりの田には浜荻が生活している。ここはこの村の農某の持地であるが、昔からの浜荻のある名所というので持主は特にこの地点へは鍬も入れず稲も作らず、経済的に損をしてまでも遺しているのはまことに殊勝な心がけである。
右地に繁茂しているいわゆる浜荻は、なん
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