た我国で一番古い辞書の『新撰字鏡《しんせんじきょう》』(僧|昌住《しょうじゅう》の著)にはまだこれをフジとはしていなくて、それを※[#「くさかんむり/儡のつくり」、第4水準2−87−9]としてある。これは中国の書物の『説文《せつもん》』に従ったものであろう。※[#「くさかんむり/儡のつくり」、第4水準2−87−9](音ルイ)とはツルすなわちカヅラのことで、それは藤の字の本義である。したがって藤はカヅラである。『玉篇《ぎょくへん》』には「※[#「くさかんむり/儡のつくり」、第4水準2−87−9]ハ藤也」とあり、また「藤ハ※[#「くさかんむり/儡のつくり」、第4水準2−87−9]也、今草に莚シテ※[#「くさかんむり/儡のつくり」、第4水準2−87−9]ノ如キ者ヲ惣テ呼ブ」とある。また『大広益会玉篇《だいこうえきかいぎょくへん》』にも同じく「※[#「くさかんむり/儡のつくり」、第4水準2−87−9]ハ藤也」とあり、また「藤ハ艸木ニ蔓生スル者ノ惣名ナリ」ともある。また右の『大広益会玉篇』の和刻本(日本での刻本)には※[#「くさかんむり/儡のつくり」、第4水準2−87−9]の字のところに「※[#
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