たこれは猫頭竹とも※[#「豸+苗」、第4水準2−89−6]頭竹とも猫児竹とも猫竹とも毛竹とも茅竹とも南竹とも称えるが、陳※[#「温」の「皿」に代えて「俣のつくり−口」、第4水準2−78−72]子《ちんこうし》の『秘伝花鏡《ひでんかきょう》』によれば
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猫竹一ニ毛竹ニ作ル、浙|※[#「門<虫」、第3水準1−93−49]《び》ニ最モ多シ、幹ハ大ニシテ厚シ、葉ハ細ク小サクシテ他ノ竹ニ異ナリ、人取テ牌ニ編ミテ舟ヲ作り或ハ屋ヲ造ルニ皆可ナリ(漢文)
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と書いてある。そしてこの毛竹の名はあるいは猫竹の音便で毛竹となったのかも知れないが、しかしモウソウチクにあってはその嫩稈の膚面に短細毛が密布(後に脱落する)しているので、あるいはそれで毛竹というのかとも思われるが、果たして然るか否かはっきりしない。
[#「狸頭竹の冬筍と春筍、李※[#「衙」の「吾」に代えて「干」、225−図のキャプション]『竹譜詳録』」のキャプション付きの図(fig46820_29.png)入る]
今モウソウチクの漢名としては猫頭竹を用いることとし、その他の※[#「豸+苗」、第4水準2−89−6]彈竹、猫頭竹、※[#「豸+苗」、第4水準2−89−6]頭竹、猫児竹、猫竹、毛竹、茅竹、南竹をその一名とすればよろしい。すなわちこれでモウソウチクの漢名がきまり、従来久しく慣用し来った江南竹の漢名は今はモウソウチクとは絶縁となった、これでなんだか清々した気分だ。
私はこのモウソウチクをハチク、マダケの属と分立せしめて一つの新属を建ててみるつもりで Moosoobambusa の新属名と Moosoobambusa edulis(Riv[#「Riv」は斜体].)Makino[#「Makino」は斜体] の新学名とを用意した。近くその委曲を発表することにしている。
日本では竹籔の場合によく竹冠りを書いた籔の字を用いているが、元来この籔の字にヤブの意味は全然なく、これはすなわち桝目などに使う字だ。竹ヤブだから藪の字の艸冠りを竹冠りの籔の字にしてみたのは日本人の細工だ、細工は流々だがその仕上げはあまりご立派ではなかった。
紫陽花とアジサイ、燕子花とカキツバタ
私はこれまで数度にわたって、アジサイが紫陽花ではないこと、また燕子花がカキツバタでないことについて世人に
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