ミとマアザミ
ムクゲとアサガオ
※[#「肄のへん+欠」、第3水準1−86−31]冬とフキ
薯蕷とヤマノイモ
ニギリタケ
パンヤ
黄櫨、櫨、ハゼノキ
ワスレグサと甘草
根笹
菖蒲とセキショウ
海藻ミルの食べ方
楓とモミジ
※[#「くさかんむり/惠」、第3水準1−91−24]蘭と※[#「くさかんむり/惠」、第3水準1−91−24]
製紙用ガンピ二種
インゲンマメ
ナガイモとヤマノイモ
ヒマワリ
シュロと椶櫚
蜜柑の毛、バナナの皮
梨、苹果、胡瓜、西瓜等の子房
グミの実
三波丁子
サネカズラ
桜桃
種子から生えた孟宗竹
孟宗竹の中国名
紫陽花とアジサイ、燕子花とカキツバタ
楡とニレ
シソのタネ、エゴマのタネ
麝香草の香い
狐ノ剃刀
ハマカンゾウ
イタヤカエデ
三度グリ、シバグリ、カチグリ、ハコグリ
朝鮮のワングルとカンエンガヤツリ
無憂花
アオツヅラフジ
ゴンズイ
辛夷とコブシ、木蘭とモクレン
万年芝
オリーブとホルトガル
冬の美観ユズリハ
序文に代う
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植物一日一題
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馬鈴薯とジャガイモ
ジャガタライモ、すなわちジャガイモ(Solanum tuberosum L[#「L」は斜体].)を馬鈴薯ではないと明瞭に理解している人は極めて小数で、大抵の人、否な一流の学者でさえも馬鈴薯をジャガイモだと思っているのが普通であるから、この馬鈴薯の文字が都鄙を通じて氾濫している。が、しかしジャガイモに馬鈴薯の文字を用うるのは大変な間違いで、ジャガイモは断じて馬鈴薯そのものではないことは最も明白かつ確乎たる事実である。こんな間違った名を日常平気で使っているのはおろかな話で、これこそ日本文化の恥辱でなくてなんであろう。
昔といっても文化五年(1808)の徳川時代に小野蘭山《おのらんざん》という本草学者がいて、ジャガタライモを馬鈴薯であるといいはじめてから以来、今日にいたるまでほとんど誰もこれを否定する者がなく、ジャガタライモは馬鈴薯、馬鈴薯はジャガタライモだとしてこれを口にし、また書物や雑誌などに書き、これをそう肯定しているのが常識となっているが、それは大きな間違いであって、馬鈴薯はけっしてジャガタライモではないぞと今日大声で疾呼し喝破したのは私であったが、しかし
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