アリトリテ後数年カレズ故ニ名ヅク
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とある。
小野蘭山《おのらんざん》の『大和本草批正《やまとほんぞうひせい》』(未刊本)には
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万年松(玉柏ノ一名ナリ) 玉柏ハ日光ノ万年グサ一名ビロウドスギト云石松ノ草立ナリ此ニ説ク形状ハ高野ノ万年グサ物理小識ノ千年松ナリ諸山幽谷ニ生ズ高野ヘ至モノ必ラズ釆《トリ》帰ル山下ニテモ此草ヲウル其状苔ノ如シ高一寸許葉スギゴケノ如シ数年過タルモ水中ニヒタセバ新ナル如シ
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と述べてある。
寺島良安《てらじまりょうあん》の『倭漢三才図会《わかんさんさいずえ》』巻之九十七(正徳五年[1715])には
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まんねんぐさ 玉柏 五遂 千年柏 万年松 俗云万年|草《クサ》 按ズルニ衡嶽志ニ謂ユル万年松ノ説亦粗ボ右ト同ジ紀州吉野高野ノ深谷石上多ク之レアリ長サ二寸許枝無クシテ梢ニ葉アリテ松ノ苗ニ似タリ好事《コウズ》ノ者之レヲ採テ鏡ノ奩《ス》[牧野いう、奩ハ字音レン、鏡匣《カガミバコ》である]ニ蔵メテ云ク霊草ナリ行人ノ消息《アリサマ》ヲ知ラント欲セバ之レヲ※[#「怨」の「心」に代えて「皿」、第3水準1−88−72]水[牧野いう、※[#「怨」の「心」に代えて「皿」、第3水準1−88−72]は字音ワン、鉢、椀、皿である]ニ投ジテ之レヲトフ葉開ケバ即チ其人存シ凋《シボメ》バ即チ人亡キ也ト此言大ニ笑フベシ性水ヲ澆ゲバ能ク活スルコトヲ知ラザレバナリ
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と書いてある。
次に享保十九年(1734)刊行の菊岡沾涼《きくおかせんりょう》の『本朝世事談綺《ほんちょうせじだんき》』巻之二には
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万年草《まんねんそう》、高野山大師の御廟にあり一とせに一度日あってこれを採と云此枯たる草を水に浮めて他国の人の安否を見るに存命なるは草。水中に活《いき》て生《おい》たるがごとし亡したるは枯葉そのまゝ也
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とある。
次に小野蘭山《おのらんざん》の『本草綱目啓蒙《ほんぞうこうもくけいもう》』巻之十七(享和三年[1803]出版)には、玉柏(マンネングサ、日光ノマンネングサ、マンネンスギ、ビロウドスギ)の条下に
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又別ニ一種高野ノマンネングサト呼者アリ苔ノ類ナリ根ハ蔓ニシテ長ク地上ニ延ク処処ニ茎
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