》と念《ねん》を押《お》しとくぜ」
「よう判《わか》りました。この上《うえ》の御迷惑《ごめいわく》はおかけしまへんよって。……」
「はッはッはッ」と、今《いま》まで座敷《ざしき》の隅《すみ》に黙《だま》りこくっていた松《まつ》五|郎《ろう》が、急《きゅう》に煙管《きせる》をつかんで大笑《おおわら》いに笑《わら》った。
「どうした松《まつ》つぁん」
「どうもこうもありませんが、あんまり話《はなし》が馬鹿気《ばかげ》てるんで、とうとう辛抱《しんぼう》が出来《でき》なくなりやしたのさ。――師匠《ししょう》、ひとつあっしに、ちっとばかりしゃべらしておくんなせえ」
「何《な》んとの」
「身《み》に降《ふ》りかかる話《はなし》じゃねえ。どうせ人様《ひとさま》のことだと思《おも》って、黙《だま》って聴《き》いて居《お》りやしたが。――もし堺屋《さかいや》さんのお上《かみ》さん、つまらねえ焼《や》きもちは、焼《や》かねえ方《ほう》がようがすぜ」
「なにいいなはる」
「なにも蟹《かに》もあったもんじゃねえ。蟹《かに》なら横《よこ》にはうのが近道《ちかみち》だろうに、人間《にんげん》はそうはいかねえ。広《
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