を全部渡す。私にも数々の桂子のデタラメがはっきり分る。そして呆れたことに、分れば分るほど不憫《ふびん》なのである。私は桂子とともに情死することさえ不自然でない気がする。
不落不昧、両彩|一賽《いっさい》、不昧不落、千錯万錯。
野狐《やこ》風流五百生、私は転々|悶々《もんもん》として、永遠に野狐であるらしい。
底本:「昭和文学全集 第32巻」小学館
1989(平成元)年8月1日初版第1刷発行
底本の親本:「田中英光全集第7巻」芳賀書店
1965(昭和40)年
入力:kompass
校正:林 幸雄
2001年2月22日公開
2006年1月3日修正
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