手達は集まっていて、彼等《かれら》の大きな身体《からだ》には、平均五尺八寸、十六貫六百のぼく達も、子供のように見えるほどでした。
 それに、彼等が奥さんや、恋人御同伴《こいびとごどうはん》なのも、すぐ眼につきました。
 しかし、ぼく達も、隅田川《すみだがわ》での恋人、「さくら」が、一足先きに艇庫《ていこ》に納まり、各国の競艇のなかに、一際《ひときわ》、優美《エレガント》な肢体《したい》を艶《つや》やかに光らせているのをみたときは、なんともいえぬ、嬉《うれ》しさで、彼女のお腹を、ペたペたと愛撫《あいぶ》したものです。

 ある国の選手達は、ロングビイチの海水浴場に入りびたり、ビイチ・パラソルの蔭《かげ》に、いかがわしい娘たちと、おおっぴらな抱擁《ほうよう》をしていたのを、見たこともあります。練習場の入口におしよせる観衆のなかから、唇《くちびる》と頬《ほお》の真《ま》ッ紅《か》な、職業女《プロスチチュウト》を呼びだして、近くの芝生でいちゃついていた、外国の選手達もみました。
 微笑《ほほえ》ましかったのは、米国のスカアル選手のダグラスさん、六尺八寸はあろうと思われる長身|巨躯《きょく》が軽
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