。第三、一八六七年以来、離婚条件として姦通の数が二七〇・八パーセント増した。第四、置き去りが三六九・八パーセント増加した。
 これ等の驚くべき統計に加ふるに更にこの問題を説明する文学戯曲の取材が多量にある。ロバアトヘリツクの『Together《トゲザア》』、ピネロの『Mid《ミッド》 Channel《チャンネル》』、ユジエンオルタアの『Paid《ペイド》 in《イン》 Full《フル》』それからまだ外に沢山の著者が結婚の乾燥、単調、陋劣、不満足等を挙げ、調和と理解の要素を欠いてゐるものだと論じてゐる。
 考へ深い社会学研究者はこの現象に対する浅薄な通俗的弁解では満足しないだらう。彼はもつと深く両性の内部生命に突き入つて何故結婚がそんなに悲惨なものであるかを知らうと欲するであらう。
 悉《あら》ゆる結婚の裏面には両性の一生の雰囲気がまつわつてゐる。その雰囲気は相互に異なつてゐるので、男と女とは永久に他人でなければならないとエドワード・カアペンターは云つてゐる、迷信や風俗や習慣の超へ難い障壁によつて分離されてゐては結婚は相互に対する智識や尊敬を発達させる力を持つことは出来ない。それが無くて
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