った一人の旅人が、峠の裾はるか底に、一団の火焔が上るのを認めた。しかし、その人は、家が焼けているのみを知って、その烟《けむり》とともに、消え去って行く悲劇のあった事などは知らなかったのである。
底本:「小栗虫太郎傑作選II 白蟻」現代教養文庫、社会思想社
1976(昭和51)年9月30日発行
※本作品中には、身体的・精神的資質、職業、地域、階層、民族などに関する不適切な表現が見られます。しかし、作品の時代背景と価値、加えて、作者の抱えた限界を読者自身が認識することの意義を考慮し、底本のままとしました。(青空文庫)
入力:酔尻焼猿人
校正:条希
1999年7月11日公開
2001年2月17日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
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