A水精《ウンディネ》、風精《ジルフェ》……。そして、最後に、あの局状《シチュエーション》の真相 Suicide《シュイサイド》([#ここから割り注]自殺[#ここで割り注終わり])を加えると、その全体が 〔Ku:ss〕《キュッス》 となってしまう。そこに、奇矯を絶したファウスト博士の懺悔《ざんげ》文が現われてくるのだ。勿論伸子は、それ以前に或る物体を、『接吻《キッス》』の像の胴体に隠匿《いんとく》しておいた……」
それには、二つの異常な霊智が、生死を賭《と》してまで打ち合う壮観が描かれていた。検事は、腐れ溜った息で窒息しそうになったのを、危く吐き出して、
「すると、当然その竜舌蘭《リネゾルム・オルキデエ》の詭計《トリック》が、鐘鳴器《カリリヨン》室の扉《ドア》や十二宮《ゾーディアック》の円華窓《えんげまど》にも行われたのだろうがね。しかし、あの時は旗太郎が犯人に指摘され、自分自身は、勝利と平安の絶頂に上りつめた――そのところで、伸子は不思議にも自殺を遂げているのだ。法水君、そのとうてい解しきれない疑問と云うのは……」
「それが支倉君、あの夜最後に僕が伸子に云った――色は黄なる秋、夜の灯
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