烽ニ》の室《へや》に戻って、椅子の上に落ち着くと、法水は憮然《ぶぜん》と顎《あご》を撫《な》でながら驚くべき言葉を吐いた。
「実は、算哲の屍骸の中に、二つの狂暴な意志表示が含まれているのだよ。一度はディグスビイの呪詛のために殺され[#「一度はディグスビイの呪詛のために殺され」に傍点]、そうして蘇生したところを[#「そうして蘇生したところを」に傍点]、今度はファウスト博士が止めを刺したのだ[#「今度はファウスト博士が止めを刺したのだ」に傍点]。つまり、あれは二重の殺人なんだよ」
「なに、二重の殺人※[#感嘆符疑問符、1−8−78]」と熊城が驚きのあまりに問い返すと、法水は|大階段の裏《ビハインド・ステイアス》――を、実に三度転倒させて、いよいよ最終の帰結点を明らかにした。
「そうじゃないか熊城君、有名なランジイ([#ここから割り注]仏蘭西(フランス)の暗号解読家[#ここで割り注終わり])の言葉に、秘密記法《クリプトメニツェ》の最終は同字整理《シラブル・アジャストメント》にあり――というのがあるからね。そこで、その同字整理《シラブル・アジャストメント》を|紋章のない石《クレストレッス・スト
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