sつる》されている身体《からだ》が、独楽《こま》みたいに廻りはじめるだろう。勿論それによって、革紐がクルクル撚《よじ》れてゆく。そして、それが極限に達すると、今度は逆戻りしながら解《ほど》けてゆくのだ。つまり、その廻転が十数回となく繰り返されるので、自然撚り目の最極の所に結節が出来、それがレヴェズの頸筋《くびすじ》を、強く圧迫したからなんだよ」
 そうして、事象としては完全な説明がついたものの、なんとなく法水には、それが独り占いのように思えてならなかった。彼は依然暗い顔のままで、無暗《むやみ》と莨《たばこ》を烟《けむ》にしながら考えに耽《ふけ》っていた。――博士《ドクター》ファウスト別名《エーリアス》オットカール・レヴェズが、人生を煙のように去った。しかし、それは何故であるか。
 それから、一応ここで検屍を行うことになったが、まず前室の扉《ドア》の鍵が、衣袋《ポケット》の中から発見された。ところが、その直後――ひしゃげ潰《つぶ》れたレヴェズの襟布《カラー》をはずした時に、思いがけなく、その下から三人の眼を激しく射返したものがあった。ついに、レヴェズの死が論理的に明らかとなった。ちょうど
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