フうち、彼の眼に異常な光芒《こうぼう》が現われたかと思うと、ポンと床を蹴って、その高い反響《こだま》の中から、挙げた歓声があった。
「うんそうだ。レヴェズの失踪が、僕に栄光を与えてくれたよ。現在僕等の受難たるや、あの男の物凄い諧謔《ユーモア》を解せなかったにある。ねえ熊城君、あの鍵は殯室《モーチュアリー・ルーム》の中にあるのだよ。廊下の扉《ドア》は、内側から鎖されたんだ。そして、レヴェズは奥の屍室の中に姿を消したのだよ」
「な、何を云うんだ。君は気でも狂ったのか※[#感嘆符疑問符、1−8−78]」と熊城は吃驚《びっくり》して、法水を瞶《みつ》め出した。なるほど、殯室《モーチュアリー・ルーム》の中室の床には、足跡らしい掠《かす》れ一つなかったのだ。また、横廊下の屍室の窓には、内部から固く鍵金が下されていた。しかし、ついに法水は、レヴェズに飛行絨毯《フライング・カーペット》を与えてしまったのである。
「すると、前室の湯滝を作ったのは、何のためだい。そして、中室の床に美しい幻の世界を作って、その上の足跡を消してしまったのは?」と狂熱的な口調でやり返して、最後に、演奏台の端をガンと叩いた。そし
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