スとは信じられんよ。必ずその解答は、君が発見した|紋章のない石《クレストレッス・ストーン》――にあるに相違ないのだ」
「なるほど、明察には違いないが」といったんは率直に頷《うなず》いたが法水は、続いて憂わしげに瞬《またた》いて、「しかし、この際の懸念と云うのは、かえって、レヴェズの心理劇の方にあるのだよ。と云ってまた、この室の鍵の行衛が、案外見えなかったレヴェズに関係があるのかもわからんし……」とパッパッと烈しく莨《たばこ》を燻《くゆ》らしていたが、熊城の方を向いて、「とにかく、犯人がいつまでも身につけている気遣いはないのだから、まず鍵の行衛を捜すことだ。それから、レヴェズを見つけて連れて来ることなんだ」
 ようやく悪夢から解放されたような気持になって、旧《もと》の礼拝堂に戻ると、そこには再び、装飾灯《シャンデリヤ》の燦光《ひかり》が散っていた。その下で、聴衆はここかしこに地図的な集団を作って固まっていたが、壇上の三人は、それぞれに旧《もと》いた位置から動かされなかったので、それでなくても不安と憂愁のために、追いつめられた獣のように顫《ふる》え戦《おのの》いていた。クリヴォフ夫人の死体
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