L品で、ようやく裏階段下の、押入れから発見されたことが述べられた。がその頃には、押鐘博士は帰邸していて、食事が済むと、今度は代り合って、法水が口を開いた。そして、レヴェズとの対決|顛末《てんまつ》を、赤いバルベラ酒の盃を重ねながら、語り終えると、
「なるほど、しかし……」といったんは頷《うなず》いたが、熊城は強い非難の色を泛《うか》べていった。「君の粋物主義《ディレッタンティズム》にも呆《あき》れたものさ。いったいレヴェズの処置に躊《ため》らっているのは、どうしたということなんだい。考えても見給え。従来《これまで》動機と犯罪現象とが、何人《なんびと》にも喰い違っていて、その二つを兼ねて証明された人物と云えば、かつて一人もなかったのだ。とにかく。序曲が済んだのなら、さっそく幕を上げることにしてもらおう。なるほど、君が好んで使う唱合戦も、ある意味では陶酔かもしれないがね。しかし、その前提に結論が必要なことだけは、忘れないでくれ給え」
「冗談じゃない。どうしてレヴェズが犯人なもんか」と法水は道化た身振をして、爆笑を上げた。ああ、世紀児法水――彼はあの告白悲劇に、滑稽《こっけい》な動機変転を用
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