ス。ですから、あの火術弩《かじゅつど》の弦《つる》を見た時に、僕は、異様な予感に唆《そそ》られました。そして、その※[#「亠/中/冖/石/木」、第3水準1−86−13]※[#「くさかんむり/夷」、第3水準1−90−83]木《ビクスクラエ》の伸縮を、あるいは人工的にも作り得るのではないかと思いました。ねえレヴェズさん、あの当時、火術弩は壁に掲っていて、箭《や》を番《つが》えたまま、幾分弓形の方が上向きになっていました。そして、その高さも、ちょうど僕等の乳辺りだったのです。ところが、ここで注意を要するのは、それを支えている釘の位置なのです。それは、平頭のものが三本、そのうちの二つは弦《つる》の撚《よ》り目へ、残りの一つは発射|把手《ハンドル》の真下で胴木を支えていたのです。勿論、その位置で自働発射をさせるためには、約二十度ほど壁と開きを作らねばなりません。つまり、その陰険な技巧と云うのは、今も云った角度を作ることと、それから、人手を藉《か》らずに弓を絞《しぼ》り、さらにまた、この緊張を緩めることでした。で、それに必要だったのが、かつては津多子を斃《たお》した抱水クロラールだったのですよ」と
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