Aかっきり、|Weissagend rauch《ヴァイスザーゲント・ラウフ》 |+《プラス》 Rosen《ローゼン》 |=《イコール》 Rosen《ローゼン》 Weihrauch《ヴァイラウフ》 に適応されるからです。つまり、|予言の薫烟《ヴァイスザーゲント・ラウフ》と云って、当時貴方の脳裡《のうり》に浮動していた一つの観念が、薔薇《ローゼン》に誘導され、そこで、薔薇乳香《ローゼン・ヴァイラウフ》と云う一語となって意表面に現われたのでした。こうして、僕の聯想分析は完成され、それと同時に、貴方がその一冊の名を、絶えず脳裡から離せない理由を知ることが出来たのです。何故なら、さらにあの室《へや》の状況を仔細に観察してゆくと、伸子が花瓶を倒すまでの真相が明らかになって、そこに、貴方の顔が現われ出たからですよ」と、まず彼が設《しつら》えた、狂言の世界を語り終ってから、問題を伸子の動作に移した。そして、法水独特の微妙な生理的解析を述べるのだった。
[#伸子と花瓶の位置の図(fig1317_43.png)入る]
「ですから、その『|予言の薫烟《ヴァイスザーゲント・ラウフ》』の存在が明瞭になると、自然
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