tの意志を述べてから、「つまり、その問題は四十余年の昔、かつて算哲《さんてつ》が外遊した当時の秘事だったのです。それによると、算哲・ディグスビイ・テレーズと――この三人の間に、狂わしい三角恋愛関係のあった事が明らかになります。そして、恐らくその結果、ディグスビイは猶太《ユダヤ》人であるがために敗北したのでしょう。しかし、その後になって、ディグスビイに思いがけない機会が訪れたと云うのは、つまり黒死館の建設なのですよ。ねえレヴェズさん、いったいディグスビイは、敗北に酬ゆるに何をもってしたことでしょうか。その毒念|一途《いちず》の、酷烈をきわめた意志が形となったものは……。ですから、そうなって、さしずめ想い起されてくるのが、過去三変死事件の内容でしょう。そのいずれもに動機の不明だった点が、実に異様な示唆《しさ》を起してくるのです。また、建設後五年目には、算哲が内部を改修しています。恐らくそれと云うのも、ディグスビイの報復を、惧《おそ》れた上での処置ではなかったのでしょうか。しかし、何より駭《おどろ》かされるのは、ディグスビイが四十余年後の今日を予言していて、あの奇文の中に、人形の出現が記され
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