sもうろう》と山のように立ち上った。その変化《うつりかわり》には、まるで、別個のレヴェズが現われたのではないか――と思われたほどに鮮かなものがあった。また、態度にも意外とか嫌悪とか云うものがなくて、相変らず白っぽい霞《かすみ》のかかったような、それでいて、その顔の見えない方の側には、悪狡《わるがしこ》い片眼でも動いていそうな……という、いつも見る茫漠《ぼうばく》とした薄気味悪さで、またそれには、法水の無作法を責めるような、峻厳な素振もないのであった。まったく、レヴェズの異風な性格には、文字どおりの怪物という以外に評し得ようもないであろう。
 その室《へや》は、雷文様の浮彫にモスク風を加味した|面取作り《ラスチック・スタイル》で、三つ並びの角張った稜《りょう》が、壁から天井まで並行な襞《ひだ》をなし、その多くの襞が格子を組んでいる天井の中央からは、十三燭形の古風な装飾灯《シャンデリヤ》が下っていた。そして、妙に妖怪めいた黄色っぽい光が、そこから床の調度類に降り注がれているのだった。法水は叩《ノック》しなかったことを鄭重《ていちょう》に詫びてから、レヴェズと向き合わせの長椅子に腰を下した。
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