Oがしだいに大きく成長していった。そして、彼は依然その場を離れないで、しかも、触れる吐息さえ怖れるもののように、じいっと耳を凝《こ》らしはじめたのだった。すると、それから十数分経って、どこからかコトリコトリと歩む跫音《あしおと》が響いてきて、それがしだいに、耳元から遠ざかっていくように離れていくと、法水の身体がようやく動きはじめ、彼は二度伸子の室に入っていった。そして、そこに二、三分いたかと思うと、再び廊下に現われて、今度は、その背面に当るレヴェズの室の前に立った。しかし、法水が扉《ドア》の把手《ノッブ》を引いた時に、はたして彼の推測が適中していたのを知った。何故なら、その瞬間、あの憂鬱な厭世家めいたレヴェズの視線――それには異様な情熱が罩《こ》もり、まるで野獣のように、荒々しい吐息を吐いて迫ってくるのに打衝《ぶつか》ったからである。
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第七篇 法水は遂に逸せり※[#感嘆符疑問符、1−8−78]
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一、シャビエル上人の手が……
故意に、法水《のりみず》が音を押えて、扉《ドア》を開いた時だった。その時レヴェズは、煖炉の
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