サれが五時三十分。

    二、|大階段の裏《ビハインド・ステイアス》に……

 法水が十二宮《ゾーディアック》から引き出した解答――|大階段の裏《ビハインド・ステイアス》には、その場所と符合するものに、二つの小室《こしつ》があった。一つは、テレーズ人形の置いてある室《へや》で、もう一つは、それに隣り合っていて、内部《なか》は調度一つない空部屋になっていた。法水はまず後者を択んで把手《ノッブ》に手を掛けたが、それには鍵も下りていず、スウッと音もなく開かれた。構造上窓が一つもないので、内部《なか》は漆黒《しっこく》の闇である。そして、煤《すす》けた冷やかな空気が触れてくる。ところが、先に立った熊城が、懐中電燈をかざしながら壁際を歩いているうちに、ふと何を聴いたものか、背後の検事が突然立ち止った。彼は、なにかしら慄然《りつぜん》としたように息を詰め、聴耳《ききみみ》を立てはじめたのであるが、やがて法水に、幽かな顫《ふる》えを帯びた声で囁《ささや》いた。
「法水君、君はあれが聴えないかね。隣りの室《へや》から、鈴を振るような音が聴えてくるんだ。凝然《じっ》と耳をすましてい給え。そら、どうだ
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