オはやめにした方が……」
「いいえ私こそ、そんな危険な遊戯《ゲーム》に耽《ふけ》ることだけはお断りいたしますわ」と伸子は、あくまで意地強い態度で云い切った。
「真平《まっぴら》ですわ――あんな恐ろしい化竜《ドラゴン》に近づくなんて。だって、お考え遊ばせな。たとえば私が、その人物の名を指摘したといたしましょう。けれども、そんな浅墓《あさはか》な前提だけでもって、どうして、あの神秘的な力に仮説を組み上げることがお出来になりまして。かえって私は、鎧通し――という重大な要点に、貴方がたの法律的審問を要求したいのです。いいえ、私自身でさえ、自身が類似的には犯人だと信じているくらいですわ。それに、今日の事件だってそうですわ。あの赤毛の猿猴公《えてこう》が射られた狩猟風景にだっても、私だけには、不在証明《アリバイ》というものがございませんものね」
「それは、どういう意味なんです? いま貴女は、赤毛の猿猴公《えてこう》と云われましたね」と検事は注意深そうな眼をして聴き咎《とが》めたが、秘かに心中では、案外この娘は年齢の割合に手強いぞ――と思った。
「それが、また厳粛な問題なんですわ」伸子は口辺《こうへ
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