ifig1317_28.png)、269−7])の六|稜形《ひしがた》が、クリヴォフの胸飾では、テュードル薔薇《ローズ》に六弁の形となって現われているのだ」
「だが、君の論旨はすこぶる曖昧だな」と検事は不承げな顔で異議を唱えた。「なるほど、珍しい昆虫の標本を見ているような気はするが、しかし、クリヴォフ個人の実体的要素には少しも触れていない。僕は君の口から、あの女の心動を聴き呼吸の香りを嗅ぎたいのだよ」
「それが、|樺の森《ダス・ビルケンヴェルドヘン》([#ここから割り注]グスタフ・ファルケの詩[#ここで割り注終わり])さ」と法水は無雑作に云い放って、いつか三人の異国人の前で吐いた奇言を、ここでもまた軽業的《アクロバテック》に弄《もてあそ》ぼうとする。「ところで、最初にあの黙示図を憶い出してもらいたいのだ。知ってのとおりクリヴォフ夫人は、布片《きれ》で両眼を覆われている。そこで、あの図を僕の主張どおりに、特異体質の図解だと解釈すれば、結局あれに描かれている屍様が、クリヴォフ夫人の最も陥りやすいものであるに相違ないのだ。ところが支倉君、眼を覆われて斃《たお》される――それが脊髄癆《せきずい
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