Cのために殺されたり。それより先日没後に、ブラーエはオーヘム大佐に従いて、戦闘最も激烈なりし四風車地点を巡察の途中、彼の慓悍《ひょうかん》なる狙撃の的となりし者を指摘す。曰《いわ》く、ベルトルト・ヴァルスタイン伯、フルダ公兼大修院長パッヘンハイム……
そこまで来ると、熊城は顔でも殴《なぐ》られたかのようにハッと身を引いた。そして、容易に声が出なかった。検事はしばらく凝然と動かなかったが、やがてほとんど聴取れないほど低い声で、次句を読みはじめた。
「デイトリヒシュタイン公ダンネベルグ[#「ダンネベルグ」に傍点]、アマルティ公領司令官セレナ[#「セレナ」に傍点]、ああ、フライベルヒの法官《チャンセラー》レヴェズ[#「レヴェズ」に傍点]……」とグッと唾を嚥《の》み込んで、濁った眼を法水に向けた。「とにかく法水君、君が持ち出した、この妖精園の光景を説明してくれ給え。どうも、配役《キャスト》の意味がさっぱり嚥み込めんのだよ――何故リュッツェン役を筋書《プロット》にして、黒死館の虐殺史が起らねばならなかったのだろうか。それに、あるいは杞憂《きゆう》にすぎんかもしれんがね。僕はここに名を載せられて
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